針刺し道具のチシポ作り〜午前編
2023年5月13〜14日に「藤戸ひろ子と学ぶ先人の知恵シリーズ」アイヌ刺繍編が開催されました。
とても豊かな時間を過ごすことができた2日間でした。
第1回目は、針刺し道具のチシポ作りからスタートです。
まずはその材料を自分で取りに行くことから始まりました。
森に入るときには、人間がその場所におじゃまするという気持ちを持って森に相対すること。
入らせて頂くけれども、必要な分だけを頂きますという気持ちを伝えること。
自分たちのそういう想いを手のひらにのせて森へと伝えてから、毎回森へと入られるようです。
森の中では、鳥の声を聞きながら、藤戸さんと木々たちを一緒に観察し、しばし散策。
チシポの材料となる「サビタ」を見つけ、みんなに必要な分だけをカット。
使わなかった残りの枝は、もう一度土に穴を掘って刺し、生き続けられるようにと森に返してきました。
自然界と末長く共存して生きていくために、私たちはこのような想いや行為の大切さに気づきを得ていく事が必要となっているのではないでしょうか。
森からサビタを頂いたあとは、おのおののペースで木を削り、なめらかにしていきました。
藤戸さんの家族との思い出話や、暮らしの事などを聞きながら、静かに、そして時折笑い声などが混じりながら、心地よい流れの中で、手を動かし続け、一本の枝がチシポへと変化していきました。
お昼の時間がやってきても、お昼だねと言いながら、手を動かし続けた午前中となりました。
午後の続きは、また次の投稿で。